交通費助成制度とは
高齢化社会となっている現代において、大きな問題となっていることとの一つが「高齢者の孤立」です。
老老介護や孤独死など高齢者が社会から隔絶された状態になることにより、健康状態にも大きな影響が出てきてしまいます。
そうした高齢者の閉じこもり状態を解消するために、地方自治体では高齢者のための交通費助成制度を行っています。
交通費助成制度は、公共交通機関を使用する時の料金を一部自治体が助成することで、地域によっては区市町村内の移動がほぼ無料になるということもあります。
有名なものが、都バスで利用できる「シルバーパス」です。
シルバーパスの場合、70歳以上でありかつ都内に住民登録をしている人であれば、発行の申し込みが可能となっています。
こちらは東京都シルバーパス条例と東京都シルバーパス条例施行規則によって定められているものであり、収入に関わらず、申請により自力で移動ができる高齢者なら受けることができます。
市民税の納付額など一定の制限はあるものの、基本的には発行をすることにより、都内を走るバスおよび地下鉄などを無料で利用できるようになっているのです。
東京都だけでなく全国の自治体で同様の制度が実施されていることから、高齢者で出かけるための手段がないという人は、きちんと申請をしておくことがおすすめになります。
交通費助成制度のメリットと注意点
交通費助成制度の最大のメリットは、老後の資金について交通費を気にせず思い切った外出をすることができるという点です。
十分に体力があって自立した移動が可能な高齢者であっても、移動をするにあたってかかる交通費があると外出を控えてしまいがちです。
ですが常に同じエリアだけを行動範囲にしていると、どうしても認知症を発症しやすくなってしまいます。
元気なうちは、できるだけ積極的に移動をするということが勧められるのです。
ただし、注意をしておきたいのが交通費助成制度は地域差が大きく、実施している自治体とそうではない自治体とがあります。
社会保障制度については継続的に行うことが難しくなったものは早々に廃止になることも多く、毎年使えていたものがなくなるという可能性もあるでしょう。
基本的に交通費助成制度が適用されるのは70歳以上が多く、60代から利用できるところは全国でも数えるくらいしかありません。
完全に無料になるという制度は難しいかもしれませんが、シルバー割引などを独自に行っている交通会社もありますので、そうしたものを利用していくとよいでしょう。
地方都市においては公共交通機関はそれほど多くの人に利用されていない赤字路線も多く、高齢者のための補助制度に積極的ではないこともあります。