節約の考え方のポイント、注意点
定年退職後は現役時代と同じような収入を得ることはできません。
人は経済活動を行う時、現在使うことができる金額だけでなく、今後得ることができる収入も考慮して行います。
そのため、仮に現在ある程度まとまった金額の貯蓄があるという人であっても、今後ほとんど収入は見込めないということになると、大胆な金遣いをすることができなくなるでしょう。
この心理面の変化は、実際に収入がなくなってからでないと肌で感じることは難しいものです。
仮にかなり多くの貯蓄があるという人であっても「長生きをしたら生活費に困窮するかもしれない」「病気になったら一気にお金がなくなってしまうかもしれない」といった心配が先になってしまいます。
確かに定年退職後も、現役時代と同じように思いついたらすぐに購入するというような衝動的な買い物をしているのは問題です。
しかし将来の不安ばかりが気になってしまい、お金を使うこと自体に罪悪感を感じるようになってしまっては、せっかくのシニアライフも息苦しいものになってしまいます。
「お金がない」とずっと思い続けていることは、じわじわと自分の首を締めるようなストレスになっていきます。
ただ漠然と「お金を使ってはいけない」と思い込むのではなく、使うべきところをしっかり考えていくことが大切なのです。
シニア世代からのお金の節約方法のポイントとしては、「優先順位を決める」や「無駄遣いをしない」という2点があります。
ただお金を使うのではなく意味のある使い方をする
もう少し詳しく説明をしていくと、まず「優先順位を決める」というのは、自分にとってどういったところにお金を使いたいか、しっかり考えるということになります。
趣味でも住環境でも日常生活においても「お金を使うべき所」ということは決まっています。
例えば人間関係に必要になるコストなどは、節約をしてもよいことはありません。
結婚式の祝儀や葬儀の香典など、そこでわずかに節約ができても、そこで人間関係が切れてしまっては将来的に大きな損失になります。
人間関係を維持するためだけにお金を大量に使う必要はもちろんありませんが、人間関係を円滑にしていくための出費についてはケチケチしないでいきましょう。
むしろ節約すべきなのは毎日の生活で発生する無駄遣いです。
自炊すれば安くすむ食事をわざわざ外食したり、安く購入できる方法が他にもあるのに面倒くさいという理由で高く購入する行為を繰り返すといったようなことです。
「上がった生活レベルを自分で下げるのは難しい」というふうに言われています。
しかし、現役時代のような大きな収入がなくなってからも同じように浪費をする生活はできないと考えることで、少しずつ生活レベルを落としていけるのではないでしょうか。